店舗併用(兼用)住宅って、店舗と住宅どっちがメイン? - 建築スタジオブログ一覧 - 名古屋市の住宅設計事務所 江川竜之建築スタジオ

店舗併用(兼用)住宅って、店舗と住宅どっちがメイン?

カフェ、レストラン、雑貨店、理美容院、マッサージサロンなど、住宅と一緒に店舗をつくる場合、クライアントは、一体誰に依頼してよいのか悩むのではないでしょうか。

住宅があるのだからやっぱり住宅系のハウスメーカーや工務店、はたまた住宅が得意な設計事務所?というように、住宅をメインに考える方が多いのではないでしょうか。店舗デザインを行っている事務所は、住宅が得意ではなさそうだから、そもそも一戸建ての住宅の設計なんてできないのでは?とお考えの方は少なくないでしょう。

知識豊富なクライアントは住宅と、店舗の外部廻りの箱までは住宅系の会社につくってもらい、店舗の内装デザインのみ店舗デザイナーに依頼する、という合わせ技を使う方もいらっしゃることでしょう。

では店舗と住宅、優先順位はどちらが上なのでしょうか。この質問に答えるならば「どちらも重要」となります。。。ただし、何が重要なのか、というところで違いがあります。

店舗の目的はいうまでもなく「売上を上げること」です。集客が命です。一方で住宅は、快適性・安全性、耐久性など「快適に暮らすこと」が最も大切な目的ではないでしょうか。

この一見相容れなさそうな2つの目的を同時に併せ持ってこそ、よい店舗併用(兼用)住宅と呼べると考えています。

店舗併用(兼用)住宅の設計テクニック

具体的に述べると、外観デザインは店舗優先です。一方で日当たりや通風などは住宅優先です。カフェや理美容院に行く際に、多くのお客様はそのお店独特の雰囲気(オーナーや店員さんの人柄、サービス、商品、コストパフォーマンス、内外装デザインなど)を体感することを楽しみにしています。もしそのお店が、生活の雰囲気丸出しで、洗濯物や干したフトンなどが視界に入る量産型住宅のような外観の中にあったとしたらどうでしょうか。店舗の玄関も窓も外壁も屋根も住宅仕様でつくられていたらどうでしょうか。きっとよそのお宅に来たみたいに何か落ち着かない気持ちになってしまうでしょう。結果、お客様の足は遠のき、売上は期待できなくなってしまいます。

店舗と住宅は、玄関ドア、窓、外装材など全てに渡って選ぶ視点が異なります。ドアも取っ手も丁番も錠も、店舗の場合は、少しでも来客アップに繋がる製品を選ぶ必要があります。

店舗併用(兼用)住宅の具体例

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この物件は1階に美容院とカフェ(将来)があり、2階がオーナーの住宅となっています。美容院とカフェの玄関は正面から視認しやすい位置にレイアウトしています。一方で住宅の玄関はちょうどその間の中央部に、ひっそりと設けられています。アップの写真でインターホンやドアの取っ手らしきものが識別できるでしょうか。 住宅の玄関を側面や裏手に設ける方法もありますが、本物件は中央の住宅玄関内部にて直接両店舗に行き来できるようにするため、必然的に正面に設けることとなりました。ここに住宅の玄関があることに気付くお客様は果たしてどのくらいいるでしょうか。2階の住まいは裏側に大きな窓とベランダを設けているので、快適に住まうことができます。

>設計実績:住宅×美容院×カフェ

店舗と住宅の違い

もう少し細かく事例を示します。

玄関

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店舗と住宅の写真を並べて見比べると、つくりの違いがはっきり分かるかと思います。店舗は店内の商品や雰囲気を見せることで、入ってみたい!という気持ちをくすぐるようにつくります。一方で住宅は防犯性を重要視するので、ガラスは最小限で、インターホンにはカメラが付いており、他人を拒絶しているかのようでもあります。

>設計実績:ガルバウロコの家

>設計実績:isuzucafe

トイレ

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住宅は長く使い続けるという前提があるので、あまり奇抜で落ち着かないデザインは好まれません。しかし店舗のトイレは、お客様にとっては重要度の高い場所で、トイレがかっこよかったり、かわいかったり、印象に残るデザインであれば、お店全体の印象もよくなる傾向にあります。

>設計実績:ガレージハウス×中庭のある平屋

>設計実績:café desert moon

店舗併用(兼用)住宅の間取り

店舗と住宅は、間取りの考え方も全く異なります。それぞれの中での重要ポイントが異なる上、店舗併用(兼用)住宅の場合は、内部での行き来や、道路からそれぞれの玄関へのアプローチ動線など、異なった目的の人々の動きを整理して考える必要があります。外部アプローチの一番の理想は、店舗と住宅の玄関を全く別の方角に設けることです。敷地の2面に道路がある場合はこの方法が可能です。道路が一つしか無い場合は、なるべく離してアプローチ動線を計画することが肝要です。そして住宅の玄関ドアは表から見えないように工夫します。住まい手と店舗オーナーが同一のケースが多いので、わざわざ外に出なくても中で行き来できると便利です。賃貸として貸すことが想定される場合はこの内部通路の有無は再考の余地があります。

住宅の間取りは生活スタイルの多様さにより、無限の組み合わせがあり得りますが、店舗の場合は、「売上を上げるための合理的な間取りとデザイン」が最重要コンセプトなので、丁寧に一つ一つを考えていくと、そんなに多くのバリエーションは発生しません。住宅系を得意としている会社は、この「売上を上げるための合理的な間取りとデザイン」に慣れていないため、無駄の多い動線計画、住宅に来たような気持ちにさせるデザイン、としてしまいがちです。街の中でお店の看板を見かけてその店舗を見てみると「あれっ、あの住宅みたいな建物がこのお店なのかな?」と頭を傾けるケースがこれにあたります。

店舗併用(兼用)住宅の依頼は江川竜之建築スタジオへ!

これまで、店舗併用(兼用)住宅においては、店舗と住宅の違いを認識して設計する必要があることを述べてきました。従いまして、設計デザインの依頼先は、店舗も住宅もどちらも専門としている事務所に依頼することが最も安心な選択と言えるかと思います。そのような設計デザイン事務所は数多くないと思いますが、当事務所は住宅と同様に店舗物件にも力を入れております。このホームページとは別に店舗専用サイトを運営していますので、店舗併用(兼用)住宅をお考えの方がいらっしゃいましたら、是非そちらのサイトにて当事務所の店舗事例の方もご覧いただければと思います。

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