こんにちは、スタッフの山中です。
昨年、事務所スタッフとの建築旅にて訪れた、原広司+アトリエ・ファイ建築研究所設計の「越後妻有 里山現代美術館 MonET」について、ご紹介いたします。
私たちが訪れた時期は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の会期中で、館内には多くのアート作品が展示されていました。
芸術祭の期間中は、受付やチケット販売、ガイド情報の提供など、地域全体を案内する総合センターとしても機能していました。
建物に入ると、中央に広がる水盤の池がまず目に飛び込んできます。
水面には光や風、空が映り込み、静寂の中にある開放感を感じました。
水が建築を包み込み、建物の輪郭を滲ませながら、自然との境界をあいまいにしていく様子がとても印象的でした。
高く伸びるコンクリートの壁に設けられたガラス開口へ柔らかな自然光が差し込み、時間とともにその表情を変えていきます。
余計な装飾は一切なく、光と素材だけで空間が成り立っており、コンクリートの無骨さが柔らかく感じられました。
整然と並ぶ壁と柱のリズムが、空間の秩序をつくり出しています。
MonETでは、視線がどこまでも抜けていきます。
吹抜けを介して上下階の気配が感じられ、訪れる人の動きが建築のリズムを生み出していきます。
この心地よさが、人を惹きつけ、また訪れたくなる理由なのかもしれません。皆さんも越後妻有地域を訪れる際は、MonETで建築と自然、アートが交わる空間を体感してみてはいかがでしょうか。