公園を臨む家
- 愛知県大府市
- 竣工年:2008年/敷地面積:610.90㎡/延床面積:288.82㎡(87.37坪)
構造・規模:鉄筋コンクリート造2階建 前職担当物件
デザインされたビルトインガレージ
ビルトインガレージは、接道している2つの道路側にそれぞれ、計2箇所に分けて設けています。
メイン玄関側のビルトインガレージは、単なる付属建物という扱いではなく、本体と一体の建物として積極的にデザインしています。
杉板の木目を転写した壁と2本の竪樋
外壁の一部には、杉板を型枠に用い、木目をコンクリート表面に転写した仕上を採用しています。
外部仕上は左官材櫛引仕上、通常のコンクリート打放し仕上、杉板コンクリート打放し仕上の3種類をバランスよく使い分けています。
竪樋も外観デザインを構成する重要な要素であるので、2本並べて壁の中央に持ってくることで、プロポーションを整えています。
水のゆらぎを表現する水盤
玄関アプローチや趣味スペースから見える位置に大きな水盤を設けています。
光の当たり方、風の影響、また循環のための水流により、水面は刻一刻とその表情を変えていきます。水という自然の一要素を介して、光や風などのその他多くの自然を感じることができます。
生活の中で"水のゆらぎ"を体感することは貴重な経験であり、癒しの効果が期待できると考え提案しました。
水盤越しに愛車を眺めることができるガレージハウス
ビルトインガレージの住宅側の壁は、趣味スペースから水盤越しに愛車を眺めることができるようガラスの大開口を設けています。
雨に濡れない屋外デッキスペース
リビングから出てすぐの場所に、屋外デッキスペースを設けています。
ピロティ形式となっており、上部に2階があるので、雨に濡れないスペースとなっています。
悪天候時でも利用可能なので、バーバキューなど、さまざまなシーンで活用することができます。
取っ手だらけの玄関ドア
玄関ドアは、取っ手の存在をカモフラージュしたデザインとしています。
ランダムに飛び出ている縦長ラインのパーツは、全て取っ手として掴むことが可能で、どこを握って引いてもドアが開くようになっています。
毎日触れる場所なので、ご家族それぞれが独自の掴みやすい場所を見つけてもられれば、と思っています。
光る上框
玄関の上框(上下足切替の段差部分)は、光を透過するレンガを置き、その奥に照明器具を仕込んで間接照明としています。
上方の照明が付いていなくても、この上框の間接照明だけで靴の脱ぎ履きができる程度の照度を持たせています。玄関のフットライトというところでしょうか。
ライン状のトップライト
約35帖もある広いLDKは、空間が間延びした感じとならないように、天井にライン状のトップライトを設け、空間を意識的に分節するよう意図しています。
またラインを斜めに入れることで、同時にズレによる視覚的な刺激を与えることも意識しています。
トップライトの立上り壁には間接照明を入れているので、夜間も天井のラインがインパクトを持続するよう計画しています。
葉脈入りのガラス
公園に面した2階のガラスウォールには、自然の葉を薬液で溶かして抽出した葉脈を挟み込んだガラスを採用しています。
下から上に向かって徐々に葉脈が少なくなるようグラデーション状に挟み込むことで、夜間の外部からの視線を葉脈が適度に遮ってくれます。
観賞の目的だけでなく、プライバシーを確保するための目隠しとしての機能も併せ持たせています。
ゴルフの打ちっ放しスペース
ゴルフが趣味のクライアントは、家でも打ちっ放しを楽しみたいとのことでした。
スポーツ用品メーカーと打合せを行い、室内にゴルフの打ちっ放しスペースを設けました。ボールの跳ね返りが無いよう、固い部分は露出しないようにつくっていますが、基本的にはある程度うまい方にお薦めしています。
ガラスの外には、屋上から流れてくる滝を観賞することができます。
開放感のある浴室
檜の浴槽に入り、香りを楽しみながらガラスの外の滝を眺めることができます。
浴槽内のゆるやかな水面のゆらぎと、滝の荒々しいゆらぎを同時に観賞することができるここちよい空間となっています。
滝と反対側の壁は、乳白色のガラスブロックを採用しているので、お互いの空間の気配を感じることができます。
また奥には岩盤浴仕様のベッドがあり、その部屋自体がサウナとなっています。
"癒し"がテーマの住宅であるので、リラクゼーションの一環として、充実した浴室として設計しました。
水のゆらぎを感じる
”癒し”をテーマにデザインしてほしい、というクライアントのご要望を基に『水のゆらぎ』を生活空間の中に表現することとしました。
外部の水盤だけではなく、屋上から1階まで流れ落ちる滝をつくり、その落下する水のゆらぎを趣味スペースや浴室から眺めることができるように計画しました。
滝壺の水は建物内を流れる水路を通じて外部の水盤に繋がっています。内外にゆらぐ水は、全体で1つの流れを構成しており、濾過装置で藻などが発生しないように配慮されています。